ほぼ毎日Snow Man

SnowManとその界隈の出来事を書いてます。

アイドルと声優

さっくんの声優がうますぎて、声優界の今後が心配になった話。

 

さっくんこと、SnowMan佐久間大介さんが声優として日本語吹替版のダブル主演をつとめた中国アニメ「白蛇:縁起」が先週末から無事に公開されました。ご本人もずっと声優をやってみたいと思っていたとのことで、このお仕事が決まったときはとても嬉しかったそうです。

 

SnowManが主題歌を担当したアニメ「ブラック・クローバー」でも少しだけゲスト出演させていただきましたが、あれは製作側のサービスであって、「声優やりました」と堂々と言えるほどではありませんでした。今回は違います。映画まるまる一本の吹替です。ファンとしては、ご本人が喜ぶ姿を見るのは嬉しいですが、正直心配でもありました。声優をやったことがないので、実際どうなのかはわからないからです。実際に映画を見て、全くの杞憂だったことがわかってほっとしています。

 

佐久間さん、普通にうまかったです。普通に、というのは表現がおかしいですね。初めての声優で全く違和感を感じさせずにアニメの世界観に溶け込ませてくれたという意味では、ものすごくうまかったです。佐久間さんが"SnowMan"の一員であることを忘れてしまうくらいでした。

 

佐久間さんは声優としてもやれるだろうとは思っていました。自称”ドラマ班”としてメンバーの深澤辰哉さん、向井康二さんと3人で笑いを取りにいくことも多い佐久間さんですが、ドラマ班の3人は単なる”自称”ではなく本当にお芝居も上手なのです。佐久間さんのこれまでの活動を思い返してみても、曲の間のおしゃべり(セリフ?)も上手ですし、滑舌はいいし、声もよくとおる表情のある良い声だと思います。

 

とは言え、声優としてどうなのかはやってみないとわかりません。佐久間さんの場合、普段のテンションがおかしい(と、ご本人もおっしゃっています)し、日常の発声からして一般人とは違う(と、声優界のアイドル梶さんに対談で指摘されていました)ので、それが声優として良いのか悪いのかが見当がつきません。やってみないとわからないという状態で、佐久間さんをキャスティングしてくれて本当に感謝です。

 

そもそも佐久間さんが声優としてキャスティングされたのは、日本に進出したい中国アニメと、中国に進出したいジャニーズ事務所の思惑が一致したからだろうと思います。佐久間さんの声優としての力量は誰も知らなかったわけですから、もし出来上がりがいまいちだったとしても、興行的にペイするだろうと思われていたはずです。佐久間さんが声優として普通にうまかったのは嬉しい誤算だったのではないでしょうか。

 

佐久間さんご本人の仕事の幅が広がるのはもちろんとして、ジャニーズ事務所全体にとってもチャンスです。佐久間さんのようなガチのアニメオタクはいないかもしれませんが、あれだけの人数のタレントがいて、お芝居も歌も踊りもできるのです。当然ながら声優として声のお仕事ができる能力のある人は他にもいるでしょう。坂道やAKBのように大所帯の女性アイドルグループの中にも声優としてやっていける人がいるかもしれません。ジャニーズや坂道グループが本気で声優に参入したら、アイドル売りをしている声優さんたちはかなり厳しくなるのではないかと思います。もしかして、アイドル売りから逃れられて、ちょっとほっとする人がいたりするのかもしれません。

 

近年は声優のアイドル化が進んでいますが、アイドル売りをすることで自分たちで自分たちの首を絞めているように思います。いくら「アイドルっぽい」と言ってもアイドルではないのですから、ジャニーズや坂道が参入してきたら「アイドル」の部分ではかないません。だって、ジャニーズや坂道は本当にアイドルなのですから。

 

本業であるはずの「声優」の方も雲行きが怪しくなってきているようです。佐久間さんが「白蛇:縁起」の声優に抜擢されたのはジャニーズだったからかもしれませんが、現在公開中のアニメ映画「竜とそばかすの姫」は違います。主演キャストは俳優陣ばかりで、本職の声優は非常に少ないです。本職の声優が少ないことについて批判も多くあるようですが、より良い作品を作るために選んだキャストの中に本職の声優がいなかったというのはちょっと衝撃的でした。本職の声優よりも、俳優さんたちのほうが「声」の表現力が優れていると思われたのです。

 

本来であれば、「声」そのものの表現力は声優に軍配があがってしかるべきだと思います。でもそうはなっていない。本当のアイドルでもなく、声での表現力も評価されないとなったら、これからの声優の仕事は先細りです。それでも男性声優はまだましだと思うのです。若くて格好いいからという理由だけで人気が出るわけではないからです。

 

女性の声優さんはこの先本当にきついと思います。何と言っても、若くて見た目がカワイイ子が人気。非常にわかりやすい世界です。男性ファンが、声優としてどうのこうのえらそうなことを言ったって、しょせんは見た目です。男性は何歳になっても20代女性が好きなことは調査結果があります。見たらびっくりするくらい、どの年代の男性でも好きな女性の年齢は20代に偏っています。女性アイドルの30歳定年説はあながち根拠がないわけでもないというのがよくわかります。声優さんも、今は若くてかわいいから人気があって、いつかはもっと若くてかわいい子が人気になるのです。

 

そもそも「声」のお仕事は、容姿を問わず、年齢を問わずできる仕事のはずです。現在の声優界のように「今、人気のある若くてかわいい子」ばかりになってしまったら、容姿がいまいちだけど声で仕事できる子は排除されてしまいます。アイドル的なことばかり求められて若い時期を過ごしてしまったら、年齢を重ねて得られるはずの声優としての知識や経験はいつ身につけるのでしょう。スポットライトを浴びてしまった人が完全に裏方として「声」の仕事でやっていくのも大変な気がします。

 

声優界が今後どうしていきたいのかわかりませんが、ちゃんと本業の「声」で食べて行けるように若いうちから育ててあげたほうがいいのではないかと思います。

 

(了)